記念館だより

雨の和辻邸公開

2017.04.15

桜が満開の春らしいおたよりの後にはふさわしくないかもしれませんが、先週末、4月8日(土 )、9日(日)は旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)の年に2回の一般公開でした。

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ここのところ雨降りが多く、せっかくの公開日も日曜日は雨と前々から予報が出ていましたが、なんと土曜日も…雨!
結局両日ともにほぼ一日中雨模様で、そろそろ止むかな?と思うとまた雨足が強まる、といった具合。
嫌がらせか!とお天道様を恨みたくもなりましたが、雨の割に気温が高かったのがせめてもの救いでしょうか。

旧和辻邸は庭園内の小高い場所にあり、階段状になっている細い坂を登っていかなくてはなりません。
雨のせいで次第に地面がぬかるみだし、8日の午後には滑ってしまいそうな状態に。足元にダンボールを敷くなど、打てる手は打ったものの、あとはお客さんにお声がけをして、注意深く進んでいただきました。
ハイキングシューズや、雨対策済みの方は問題なかったものの、綺麗なお足元のお客様にはひやひやさせてしまい、申し訳なかったです。

客入り

そしてお客様に言われた気がついたのですが、雨でぬかるんだ地面を踏む機会って、最近ではほとんどありませんよね?
スタッフはただもう滑らないように、ということしか考えていませんでしたが、久しぶりに味わうぬかるみの感覚を懐かしんでくださる方もおり、お陰で沈んだ気持ちが少しだけ晴れました。
そして子どもにとってもぬかるみは新鮮だったようで、はしゃぎまわる子どもたちの後ろを、滑って転ばないかとひやひやしながら追いかけるお母さんの姿も見られました。

施設公開は、荒天でない限りは中止にしないのですが、当館の場合は、荒天でないとしても、お客様が転んで骨折などという事態になっては大変なので、そのあたりの見極めが大切だと改めて実感しました。幸い今回は事なきを得ましたが、危機管理に関する課題が浮かび上がってきたイベントとなりました。
滅多にない(あっては困る!)雨の中の和辻邸開放は、ほろ苦く、しかし雨の匂いや地面のぬかるみなど、子ども時代に外で遊びまわっていた頃の記憶がフッと戻ってくるような、不思議な瞬間を伴う2日間でした。

雨の中ご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました。(胡桃)

桜アップ

桜満開です!

2017.04.12

昨日の肌寒い雨とは打って変わり今日は日中ブラウス一枚でも心地良い小春日和となりました。

平日にもかかわらず鎌倉はたくさんの観光客で賑わっています。

皆さんのお目当てはやはり桜でしょうか。桜を見上げる顔に自然と笑みがこぼれます。

さて、記念館のお庭の桜も今週が見頃です。

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遊歩道のベンチでのんびりお花見されてる方もいらっしゃいました。

小町通りに設置されている当館の看板も桜が背景となり、いつもより華やかです。

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皆様のご来館を心よりお待ち申し上げます。(つむぎ)

シナリオ創作にチャレンジ!「人生を楽しむためのシナリオ教室」を開催

2017.04.05

3月8日と22日、29日の3日間かけて、「人生を楽しむためのシナリオ教室」を開催しました。今年で2回目を迎えたシナリオ教室、当日は12名の皆様にご参加いただきました。はじめてシナリオを書く方や、これまでにシナリオ教室に通ったことのある方、昨年に続き2度目の参加者の方もいらっしゃいました。
先生は鎌倉生まれ、鎌倉育ちで、これまでに「青春とはなんだ!」「俺たちの旅」や「太陽にほえろ」「あぶない刑事」など、数々のテレビドラマを手がけられてきたプロデューサーの岡田晋吉さんです。3日間かけて、シナリオの書き方からドラマの発想方法まで、ご自身の経験をもとにした実践的な内容で講義をしていただきました。

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1日目はシナリオの書き方を中心とした講義で、その後は参加者の皆様にシナリオ創作から提出までしていただきました。2日目からは、提出いただいたそれぞれのシナリオをもとに岡田先生による具体的なアドヴァイスがありました。皆様、日常の出来事を題材にしてシナリオを創作していますので、内容が現実的すぎてもドラマにはならず、また、想像で描きすぎてもリアリティがなくなってしまい、この点からもドラマを創作することの難しさを感じられたと思います。講評の後の講義では、シナリオが映像化されることについて、いくつかのテーマでお話しいただきました。シナリオは、小説やエッセイと違い、映像化されるために創作されるものですので、シナリオと映像化された作品を見比べることは大変勉強になります。今回は、岡田先生が企画し、プロデュースした「俺たちの朝」(極楽寺を舞台にした勝野洋さん主演の青春ドラマ)を参考にして、シナリオがどのような映像になるのかをお話しいただきました。また、「プロデューサーとディレクターの違い」や「シナリオライターとディレクターの関係」など、普段、うっすらと知ってはいるけれども、具体的なことまでは分からなかった違いや関係などを分かりやすく教えていただきました。

最終日も引き続き、シナリオの講評をいただき、最後は次なるステップとして、現在、シナリオ・センターが主催している「47行の物語~47都道府県シナリオコンクール」の紹介がありました。これは、「ごはん」を課題にして、毎月1日に発表される指定地域ならではのドラマを創るというもので、シナリオ形式にして47行で書き上げる応募規定となっているものです。4月は「東京」ですので、ご興味のある方は下記のサイトをご覧いただければと思います。

http://www.scenario.co.jp/47th16670

*2017年11月までの応募内容となります。

当館は、毎年、夏休みに、シナリオ・センターの講師の方にお越しいただき、シナリオ創作から映画撮影まで体験できるワークショップ「子どもシナリオ・映画教室」を開催しています。鎌倉市内に在学・在住の小学校4年から6年生を対象にしていますので、こちらもご興味のある方は記念館までお問い合わせください。

「人生を楽しむためのシナリオ教室」は、だれもがシナリオを書くことで、無意識のうちに感じていた人生の喜びや悲しみを、あらためて気付くきっかけとなってくれればと開催しています。ぜひ、自分の体験してみたことを、一度、シナリオにしてみてください。そのドラマから人生の気付かなかった真実を発見するかもしれません。
当館では今年度も、シナリオ創作に関するイベントを開催してまいりますので、今後の活動に注目いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。(文)

おはなし+映画で想像力を働かせながら物語を楽しもう! ~「こどもおはなし映画館」実施報告~

2017.04.01

川喜多映画記念館では、夏休みや春休みなどの長期休暇期間を中心に、子ども向けのワークショップやイベントを開催しています。
シナリオの執筆から映画の撮影までを行う夏の「シナリオ教室」や、自分達で描いた絵を通して映画が動く仕組みを知る「ぐるぐるアニメワークショップ」などは毎年恒例の企画として実施していますが、最近はより小さなお子様を対象に、「映画を見る」ことに重点を置いた鑑賞型ワークショップにも力を入れるようになりました。

昨年の暮れに実施した「こども映画館~スノーマンとクリスマス~」では、『スノーマン』の映画鑑賞と、“自分だったらスノーマンとどんなことをして遊びたいか、スノーマンに何を見せてあげたいか”をテーマに絵を描いてもらいました。映画はセリフやナレーションが一切ない情緒的な作品でしたが、繊細で可愛らしい作品の世界観に子どもたちが引き込まれていく姿が印象的でした。その日は雨風が強く、たくさんキャンセルが出てしまうのではないかと気が気ではなかったのですが、みんな色とりどりのレインコートや長靴に身を包んでやってきてくれたので、感謝の気持ちでいっぱいになったのをよく覚えています。

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3月30日(木)には、やなせたかしさんの『やさしいライオン』を題材に、絵本の朗読と映画の上映がセットになった「こどもおはなし映画館」を実施しました。朗読を途中で区切り、この後続きがどうなるかを想像してグループで話し合う作業を経て、映画を見るというこのワークショップは、1年前に『こぎつねコンとこだぬきポン』で好評をいただいて以来2度目の開催です。
「アンパンマン」で知られるやなせさんのこの絵本は、優しさと悲しさ、温かさと残酷さが同居した素敵な作品で、それを手塚治虫率いる虫プロダクションが映画化しています。やなせ氏ご本人も参加したという映画は、絵本の物語をさらに具体化し、音楽や歌、ダンスなどの動きを効果的に取り入れて楽しみながら見られる作品で、子どもたちも体を動かしたり一緒に歌を口ずさみながら見てくれました。
最後が悲しいという意見もありましたが、大人が心配したほど子どもたちはショックを受けてはおらず、残酷な中にもブルブルとムクムク(主人公のライオンと犬)が一緒になれたことを喜ぶ気持ちを、子ども心に感じ取ってくれたのかなと思いました。

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この鑑賞型ワークショップは、美術教育を目的に鎌倉で活動しているNPO法人「アートとつながる鎌倉」の協力を得て実施しています。美術館にとって教育普及活動は大きな使命のひとつですが、こちらの思惑と子どもたちの反応には時にズレが生じてしまうこともあり、一方的な押し付けになってしまわないかという不安があったことも事実でした。美術教育の現場に多く携わってきた方たちから生の声を聞き、様々な事態を想定して準備しておくことで、やる側も余裕をもって臨むことができるようになりました。
ワークショップはもちろん内容が一番大事なのですが、個性の強い子どもたち一人一人をないがしろにしない体制や、こちらの意図が保護者の方にきちんと伝わることなど、これまで気づかなかった部分を教えてもらっています。

普段はなかなか子ども向けの上映や展示ができないので、その分イベントやワークショップを通して、老若男女問わず親しんでもらえる施設にしていきたいと思います。(胡桃)