記念館だより

クリスマスとフィンランドにまつわるワークショップ

2018.01.04

皆さま、明けましておめでとうございます。
今年も鎌倉市川喜多映画記念館をどうぞ宜しくお願い致します。

お正月休みもあっという間に終わり、また日常が戻ってきました。
そんな年明け一発目には少々相応しくないかもしれませんが、年内最後の日に実施した「こども映画教室」のご報告から2018年の記念館だよりを始めさせていただきたいと思います。

寒さが一段と増した12月28日、当館ではクリスマスにまつわる2つの子ども向けワークショップを開催しました。
一昨年、同じ時期にワークショップを行ったところ、冬休み中の開催はとても有り難いと親御さんから大好評だったので、それならばと今年は気合を入れて午前と午後の2回実施したというわけです。

午前の回は、小学校3年生までのお子様を対象に、温かみのある作風で知られるレイモンド・ブリッグズの『さむがりやのサンタ』『サンタの夏休み』をひとつにまとめたアニメーション『ファーザー・クリスマス』を上映し、サンタさんと一緒にやりたいことを絵に描いてもらいました。

サンタさんがソリに乗ってプレゼントを配るお手伝いをしたり、夏休みにサンタさんと海で遊
んだりと、みんなカラフルで創造力溢れる絵を描きあげてくれました。最後はそれぞれの力作
を手に写真をパチリ。素敵な笑顔で2017年を終えることができました。

 

午後の回は、小学校1年生から6年生を対象に、サンタクロースの故郷でもあるフィンランドと
いう国について学ぶワークショップでした。
これまで当館では、小さなお子様向けのワークショップを行うことが多く、もう少し上の年齢
の子どもも参加できるイベントもやってほしいと、お母様たちから時々ご要望をいただいてい
たので、今回は「新しいことを学ぶ」要素を取り入れ、外国の生活や文化を紹介する内容に挑
戦しました。

フィンランドを選んだのは、クリスマスにゆかりの深い国なので、子どもたちが興味を持ちや
すいのではないか、ということが一番ですが、去年鎌倉にフィンランド人のご主人が営むパン
屋さんがオープンしたことも理由のひとつでした。
日本以外の国について学ぶのであれば、私たちが勉強して伝えるよりも、その国出身のネイテ
ィヴの方に来ていただくことがとても大事だと思います。お話の内容の説得力も違いますし、
普段なかなか話す機会のない国の方と触れ合うことで、子どもたちの好奇心も刺激され、印象
に残りやすいと思うからです。

「ライ麦ハウスベーカリー」というお店のご主人・アキさんは、幸い日本語もお話しになりま
すし、奥様が日本人なので何かあったらサポートしていただけるということで、快く引き受け
ていただけました。
そして当日は、サプライズでフィンランドのシナモンロールを焼いてきてくださり、実際にど
んな味かを確かめながら、フィンランドの食事情を学ぶことができました。

ラップランドの美しい風景に感嘆の声をあげたり、夏は太陽が沈まず、冬は太陽が昇らないと
いうフィンランドならではの現象にびっくりしたり、フィンランド語で挨拶をしてみたり(ちなみにフィンランド語では“こんにちは”を“モイ”、“バイバイ”を“モイモイ”と言うそうです)楽しんでもらえたかな?と思います。

当館は映画記念館なので、もちろん映画の上映も。午前に上映した『ファーザー・クリスマス』と、フィンランド生まれの大人気キャラクター「ムーミン」のアニメーションを見ました。
私は自分が子どもの頃に、テレビで放映されていたムーミンのアニメを見た記憶があるのですが、今のお子さんはどうなのかな~と尋ねてみたところ、インターネットなどで見ている子が何人もいて、改めて時代の移り変わりを思い知らされたのでした。

参加してくれた皆さん、年の瀬の忙しい時期にも関わらず付き添ってくださった親御さん、そしてパン屋のご主人アキ先生に心から感謝いたします。

2018年は1月4日から開館、映画は8日(月祝)から『赤と黒』が始まります。
初詣も兼ねて、是非鎌倉へお越しください!(胡桃)

 

本日新企画展「巨匠が愛した女優たち」始まりました!

2017.12.22

本日1222日(金)より、新企画展「巨匠が愛した女優たち」が始まりました!

洋画を中心に豪華スターの艶やかなポスターの数々、グレイス・ケリー&ヒッチコック監督、オードリー・ヘプバーン&ビリー・ワイルダー監督、バーグマン&ジャン・ルノワール監督の2ショットなど、撮影現場の貴重なスチル写真も展示しています。また、カンヌ映画祭ポスターも数多く展示しています。

ブリジット・バルドーのインパクト大なポスターは私のお気に入り☺

映画上映は年明け18日の『赤と黒』を皮切りに洋画11本、邦画は2月に「日本映画篇」と題し、当館で毎年行っている「優秀映画鑑賞推進事業」ならびに「英語字幕付き日本映画上映会」を開催し、田中絹代&溝口健二監督、高峰秀子&成瀬巳喜男監督作品など邦画5作品、合計16本のラインナップでお届けいたします!

年内は28日(木)まで、年始は4日(木)から開館しますので是非遊びにいらしてください。お待ちしております!(つむぎ)

「映画衣裳デザイナー 黒澤和子の仕事」展、終了しました!

2017.12.17

「師も走る」と言われる12月、クリスマスやお正月など楽しみな年末年始を控えて慌しいこの時期の鎌倉は、比較的のんびりと穏やかな日々を送っています。(もちろん大晦日は別ですよー)風邪も流行っているようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

9月15日から3ヶ月間にわたって開催してきました、特別展「映画衣裳デザイナー 黒澤和子の仕事」は、本日12月17日をもって無事に終了しました。
ただし無事に…といっても、昨日16日に開催した最後のビッグイベント、黒澤和子さんによる講演会では、電車の架線トラブルにより鎌倉までの交通手段となるJRの路線がすべて止まってしまい、来られないお客様がいらっしゃたり、参加できた方も皆さんとっても大変な思いをしながら来てくださったりと、最後の最後でとんだことになってしまいました。
元々私が担当するイベントの日は雨降りが多く、雨女との認識はあったのですが、さらにひどいことが起こってしまうとは、まさか疫病神ではないかと心配になってしまいます。。。

ただそんな中でも、和子さんのご配慮で15分遅れでスタートし、チケットをご購入されたほとんどの方には無事にご参加いただくことができました。
和子さんの素晴らしい語りによって、お父様である黒澤明監督の可愛らしい面を沢山知ることができ、また映画衣裳がどのようにできていくか、そしてどんな姿勢で和子さんがお仕事に向き合われているかがとてもよくわかり、質疑応答でもたくさんの質問が出され、皆様に喜んでいただくことができて何よりでした。

 

遡ること1ヶ月、11月18日には、この展覧会のために映画で実際に使用された衣裳を貸し出してくださった東京衣裳株式会社より、川田真之代表取締役社長にご登壇いただき、黒澤明監督の遺作『まあだだよ』の上映に併せて、映画衣裳界のいまとむかしについて語っていただくトークイベントを行いました。

おじいさまが創業された同社の三代目にあたる川田社長ですが、日本テレビのディレクターからの転身というユニークな経歴もあってか、衣裳会社という伝統的なイメージとはまったく異なり、これまで築いてきた場所に安住するのではなく、新たなジャンルの事業にどんどんチャレンジしていく姿勢がとても魅力的な方でした。
社長ご自身が現場を回り、また衣裳担当は同時にいくつもの作品を手がけて眼の回るような忙しさの中で、プロの仕事をこなしていくという、活気に満ちた素敵な会社の雰囲気がダイレクトに感じられ、普段企業のトップの方にお会いする機会のない私には貴重かつ新鮮な経験となりました。

黒澤和子さんは、映画の裏方にあたる衣裳界でも、最もその名を知られている方ですが、その一方で東京衣裳には、長年にわたって数多くの映画やドラマ、演劇の衣裳を手がけてきたベテランの職人さんたちがいらっしゃいます。
たとえば福田明さんは、『乱』や『夢』で衣裳を担当したワダエミさんのアシスタントを務めて黒澤監督から高く評価され、和子さんとも長く一緒にお仕事をされてきた方で、日本の俳優やスタッフが多数参加して大ヒットを記録した『ラストサムライ』でも、アカデミー衣裳デザイン賞を受賞したナイラ・ディクソンを片腕として支えられました。
また、「半時代劇」と言われる戦争を挟んだ時代の衣裳を得意とし、『杉原千畝 スギハラチウネ』や『ヴィヨンの妻』『明日への遺言』などを和子さんと一緒に担当された古藤博さんも、東京衣裳さんになくてはならないお一人です。

皆さんもよくご存知の「日本アカデミー賞」には、衣裳デザイン賞はないものの、裏方の立場から日本映画界に多大な貢献をされた方達を表彰する「協会特別賞」という賞があります。
福田さんは2013年度に既に受賞されているのですが、今年、古藤さんの同賞受賞が決まったと、先日川田社長からご報告をいただきました。
社長が心から信頼されているお二人の存在が広く知られ、評価されることは、社長にとって何よりの喜びに違いありません。
古藤さん、本当におめでとうございます。今後の更なるご活躍をお祈り申し上げます。

 

今回の展覧会では、様々な方にご協力いただくことの有難みを身に沁みて感じる機会が多くありましたが、小泉堯史監督もそのお一人です。黒澤監督の助監督出身であった小泉監督の『明日への遺言』と『蜩ノ記』を上映した際には、2作品とも監督が駆けつけてくださった上、上映前には挨拶もしてくださいました。
『明日への遺言』の日にちょうど台風が接近していて、「お客さんが誰も来ないかもしれないから私が来ましたよ」と言っていただいた時には、監督の優しさで胸がいっぱいになり、また『蜩ノ記』でも映画が終わって出てくるお客様一人一人に挨拶をされて、映画の感動と相まって皆様本当に喜んでくださいました。

このように、黒澤和子さん、川田真之社長、小泉堯史監督ら映画界の重鎮と呼べる方々をはじめ、本当に多くの方に支えられて、今回の展覧会を無事に終えることができました。
関わってくださった皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

追伸:次回企画展「巨匠が愛した女優たち」は12月22日(金)より始まります。
引き続き鎌倉市川喜多映画記念館をどうぞ宜しくお願いします。
(胡桃)

さりげなく、美しく~紅葉を楽しむ季節の庭園公開~

2017.12.05

一気に冷え込んで師走の訪れを実感した先週末、12月1日(金)~3日(日)に、「紅葉を楽しむ季節の庭園公開」と銘打って、記念館横にある庭園と旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)を特別公開しました。

 

毎年、4月と10月には鎌倉市の他の施設と共に一般公開を実施していますが、年に2回だけでは勿体無い、季節のお花が見頃の頃に是非見ていただきたいと、6月の紫陽花の時期に続いて入館された方を対象にした2度目の特別公開です。
鎌倉は紅葉が少し遅めなので…と12月頭に設定はしたものの、今年は10月末に季節はずれの台風の影響で、銀杏の葉は散り、もみじは塩害でパリパリになってしまうという不運に見舞われてしまいました。

 

 

紅葉については例年には至らなかったものの、ならば旧和辻邸内は手をかけてみましょう、ということで、北鎌倉ご在住の工芸品コレクターの方からお品物を借り、川喜多かしこ夫人が愛用したお着物を何点か出し、また華道の経験がある記念館スタッフの手を借りて、夫妻が使っていた頃にできるだけ近づけるよう、室内をしつらえてみました。

 

 

 

 

 

 

このところ一般公開時は雨が続き、気持ちの良いお天気になかなかめぐり合えていなかったのですが、今回土日はきれいな秋晴れで、朝夕は冷え込むものの昼間はぽかぽかと暖かい日差しが感じられ、久々に天候に恵まれました。

華美に飾り立てるのではなく、旧和辻邸が持っている元の雰囲気を活かしながら、さりげなく、美しく、良い品々に彩られた室内は、凜として、我ながら素敵だったと思います。

ご来館されたお客様も喜んでくださって何よりでした。
この場を借りて、お世話になって皆様にお礼申し上げます。

次回の一般公開は2018年4月7日(土)、8日(日)です。寒い冬が終わって暖かい春を迎えるのが今から楽しみです。(胡桃)