記念館だより

「はじめてのシナリオ」教室を開催しました

2018.04.05

「シナリオ」って聞いたことがあるけど、どんなもの?とか、「シナリオ」を書き始めてみたはいいけれど、うまく書くにはどうしたらいいのかな?とか、身近に接する「シナリオ」という言葉も、いざ書こうとするとなかなか難しいものです。当館では、これまで皆様にシナリオに接する機会をとシナリオ教室を開催してきました。今年も講師に、テレビプロデューサーとして、「俺たちの旅」や「太陽にほえろ!」「あぶない刑事」など、多くの名作を世に送り出した岡田晋吉先生にお越しいただきました。

3日間かけて、シナリオの書き方の講義と参加者の皆様による提出シナリオの講評という内容で、シナリオを学んでいただきました。岡田先生の貴重な体験談からは、シナリオの様々な秘訣を聞くことができました。その一つ、新聞記事の投書欄は、シナリオになるエピソードの宝庫ということでした。シナリオ創作の土台は、現実に起こったことや、日常の体験談であり、限りない人間への興味へと繋がっているんですね。今年のシナリオ教室も、楽しく分かりやすくシナリオについて教えていただきました。岡田先生、ありがとうございました!(文)

日本映画の新しいカタチ2018

2018.04.01

3月23日(金)から25日(日)まで、鎌倉市川喜多映画記念館では「日本映画の新しいカタチ」の上映とトークイベントをおこないました。本特集では、新進気鋭の若き映像作家の作品を毎年取り上げ、紹介しています。また監督や俳優、関係者の方に鎌倉までお越しいただき、上映後のアフタートークを開催しています。

今回のテーマは《自分を映す鏡》です。PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2015でグランプリを受賞し、第66回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少(当時21歳)監督作として正式出品された『あるみち』、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014で監督賞&SKIPシティアワード賞に輝き、ドイツのフランクフルトで開催されているニッポン・コネクションではニッポン・ビジョン審査員賞(第14回)を受賞した『螺旋銀河』、PFFアワード2017で審査員特別賞を獲得し、第20回京都国際学生映画祭でグランプリ&観客賞を受賞した『沈没家族』と、選りすぐりの3作品を上映しました。

左:杉本大地監督

テーマに沿った作品というよりも、それぞれに形式・手法も違えば、対象へのアプローチもタッチも全く異なる3つの映画で、別々の観点から作品の魅力や面白さを語ることができるもの、というのが最初の印象でした。その中でみえてくる特徴や共通点からテーマをまとめた、というのが今回の経緯です。連日にわたって観に来てくださった方もいれば、1日に3作品ともご覧になった方もいらっしゃいました。ひと粒でも十分に面白いのですが、3作品を鑑賞していただくと、映画の面白さは実に多様な観点から見出すことができるし、色とりどりのカタチをしているのだな~と思っていただけたのではないでしょうか。

左:草野なつか監督

23日は『あるみち』の杉本大地監督、24日は『螺旋銀河』の草野なつか監督、25日は『沈没家族』の加納土監督と、ライターでPFFアワードのセレクション・メンバーでもある木村奈緒さんにご登壇いただきました。

加納土監督、木村奈緒さん

『沈没家族』は、かつて監督が家族3人で暮らしていた鎌倉の家の近くや海辺、江ノ電沿いや鶴岡八幡宮を母子で訪ねるシーンが映し出されます。鎌倉にお住まいの方には見覚えのある風景もちらほら・・・。上映後のアフタートークでは、鎌倉在住の方から、鎌倉での子育て環境の当時と現在の違いについてのお話もありました。加納土監督も自身の出生地である鎌倉での上映会を大変喜んでくださいました。

どんな作家にとっても処女作はとても大切なもので、その瑞々しさや輝きはそれぞれに違ったカタチで表出するものです。今回も作品の上映とともに、彼らのこめた想いのひとつひとつを、当時を振り返りながら伝えていただくことができ、とても良い場になりました。ご登壇いただいた方々、この場に立ち会い上映を楽しんでくださった皆様、どうもありがとうございました。(B.B.)

 

こどもおはなし映画館-だるまちゃんと遊ぼう!-、そして庭の桜が満開です

2018.03.30

3月28日(水)、絵本の朗読と映画の上映を合わせたイベント「こどもおはなし映画館」を実施しました。
今回は、90歳を超えてなお旺盛な執筆活動を続けていらっしゃる、かこさとしさんの代表作であるだるまちゃんシリーズを取り上げました。
昨年は、だるまちゃんシリーズの新作が3冊同時発売され、かこさんの展覧会が各地で開催されるなど、永年にわたる活動に改めて注目が集まっていることもあり、今回のイベントも募集して間もなく定員に達する盛況ぶりでした。

当日は、初夏のような暖かさの中、朝早くからベビーカーと一緒にお母さん、お父さんが記念館に駆けつけてくださり、場内はとってもにぎやかに。

『だるまちゃんとうさぎちゃん』の読み聞かせの後は、絵本の中に登場した、新聞紙で作るうさぎちゃんの帽子とうさぎちゃんの手袋人形を皆で作りました。

最後は16mm映写機で、図書館から借りた『だるまちゃんとだいこくちゃん』の映画を見ました。
1歳くらいの小さな子もいたので、暗いとこわいかなぁと心配しましたが、みんな「だいじょうぶー!」と声をかけてくれて、一生懸命見てくれたのがとても嬉しかったです。

アンケートを見ると、はじめての映画体験だったお子様も多かったようで、記念館でのイベントから映画館体験が始まっていくんだと思うと、感慨深い気持ちでした。
一般の映画館に小さな子を連れて行くのはなかなか大変なことだと思うので、お母さんもお子様も周りを気にせず楽しめる映画上映の機会を、ここ記念館で作っていきたいと思いました。

参加してくれた皆様、またいつもお手伝いいただいているNPO アートとつながる鎌倉の方々にも心から感謝申し上げます。


そしてそして、今年は例年より早く開花した桜が、当館でも満開を迎えています。

今日は風が強いので、たくさん散ってしまうのではないかと心配ですが、儚いからこそ美しいのですよね。
本当だったら、来週末の旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)一般公開までもってほしかったのですが、お花のことはなかなか思い通りにいきません。

写真だけでもお楽しみいただけますと幸いです。(胡桃)

「スクリーンで見る『鎌倉映画地図』」盛況のうちに終了しました!

2018.03.24

3月20日から22日にかけて、シネマセレクション「スクリーンで見る『鎌倉映画地図』」が開催されました。当館友の会会員の皆様が選んだ鎌倉が舞台となった名作『乳母車』と田中絹代さんの代表作『恋の花咲く 伊豆の踊子』の2作品を上映しました。

 

20日は、『乳母車』上映後に、当館の総括責任者・増谷文良が「鎌倉と映画『乳母車』」と題して、『乳母車』に登場する鎌倉を、当時の貴重な写真資料をお見せしながら解説しました。続けて、昨年、発行した冊子「鎌倉映画地図」の著者であるイラストレーターの宮崎祐治さんにお越しいただき、「冊子『鎌倉映画地図』ができるまで」と題したトークイベントを開催しました。映画に登場するロケ地の面白さを宮崎さんのユーモア溢れるトークで語っていただきました。

21日は、「活動弁士・澤登翠のかまくら活弁&トーク 銀幕の女優シリーズvol.1 ~田中絹代~」を開催しました。3月21日は、田中絹代さんの御命日にあたり、鎌倉ともゆかりの深い大女優を偲び開催されたイベントです。活動弁士・澤登翠さんが熱く語る田中絹代さんのエピソードの数々に会場の皆様も引き込まれていました。そして、トーク後は『恋の花咲く 伊豆の踊子』の活弁上映が行なわれ、無声映画の醍醐味を堪能させていただきました。

会場には、鎌倉在住の画家で96歳になられる植木金矢さんが、この日のイベントのために描かれたポスターも飾られました。

鎌倉と映画の魅力がぎっしりと詰まった3日間が盛況のうちに終了しました。澤登翠さんのかまくら活弁&トークは、今後も「銀幕の女優」をテーマに開催していきますので、次回もぜひご期待ください!また、冊子「鎌倉映画地図」も当館で絶賛販売中ですので、こちらもよろしくお願いいたします!(文)